DIARY
Bertitude
現在発売中の婦人画報10月号、そして同じく婦人画報の12月号、さらにはBS朝日の紀行番組撮影にて、ベルギーのブリュッセルを訪れました。
世界最古の皮革製品ブランドとしてベルギー王国が誇るデルヴォーの本社兼工房では、妻であり、母でありながらも、伝統的なデルヴォーのバッグに新たな息吹をもたらすデザイナーとして、自立した女性像を確立なさっているデザイナーのクリスティーナ・ゼラーさんのエスプリに圧倒されました。
ユーモア、気遣い、装い、すべてが魅力的で、「こんな懐の大きな女性に果たしてなれるものだろうか?」と、憧れの眼差しを隠せませんでした。
デザイナーであり、誰もが追随したくなるようなカリスマでありながら、決してご自身が前に出ることなく、常にデルヴォーがあるべき姿を優先し、会話の主語がいつもデルヴォーだったことが印象的でした。
また、50年以上前に販売されたバッグを丁寧に修理してお客様にお戻ししたり、新たな試みにも果敢に取り組む職人さんたちの、バッグ作りにかける熱き想いに触れることができました。
中には親子代々デルヴォーの職人さんを務めていらっしゃる方もいらして、まるで自分の子供のようにバッグを大切に扱う姿に胸を打たれました。
ブランドの名前がバッグの表面に一切書かれていない、控えめでエレガントなデルヴォーのバッグは、持つ人の個性に寄り添ってくれます。ドレスアップをした際にはもちろん相応しく、さらにはカジュアルな装いでもキリッと引き締まるので、崩しすぎにならないところが心強いです。
BS朝日の紀行番組「中谷美紀 ベルギーらしさと出会う」は、9月23日14:00より放送です。ぜひご覧下さいませ。