DIARY
オーストリア滞在記
先行きの見えない不自由な暮らしが続いており、多くの方々が犠牲を払うことを余儀なくされていますね。
身近な誰か、そしてまだ見ぬどなたかの大切な命を守るため、じっと耐えるよりほかに手立てがないのでしょう。
親しいお友達と会って話すことも、レストランにておいしい食事を堪能して自分を甘やかすこともままならぬ日々にて、鬱屈とした毎日をお過ごしのこととお察しいたします。
時には誰かに愚痴を言いたくもなりますよね。
そのような際、私は文章を書いてストレスの発散をして参りました。
29歳の頃には「嫌われ松子の一生」という映画を撮影する傍らで、毎日愚痴を書き殴り、「嫌われ松子の1年」という書籍になったほどで、その勢いで出かけたインドでは、お腹を壊して七転八倒し、牛の糞を踏み、パスポートを盗まれたりしながらも、「インド旅行記」をしたためました。
この度は、現在暮らしておりますオーストリアはザルツブルクの田舎にて、泥まみれになりながら庭造りをしたり、ようやく完成した庭の一部をナメクジに食べられたり、歩けなくなるほど草むしりに熱中したりの日々を4月から約3ヶ月間書き綴ってみました。
風邪をひくと気管支炎を発症しやすいため、生まれて初めてのロックダウンでは、万が一の際には重症化しやすいのではないかと怯える日々でしたが、むしろそうしたネガティブな気持ちを吹き飛ばすためにもオンラインでドイツ語学習に励んだり、山を歩いたりしておりました。
近くにテイクアウトができるレストランもないため、毎日何を作ってよいのか途方に暮れることもありましたし、苦手なお菓子作りにも挑戦し、失敗を繰り返しては、真っ黒な炭という傑作が焼き上がったことすらありました。
そうした何でもない日常の断片を綴った文庫本「オーストリア滞在記」が2月4日に発売となります。
今年こそ明るい兆しが見えるといいですね。
皆様の日常が、少しでも心穏やかなものとなりますように。
あけましておめでとうございます
昨年は思いがけない災禍に見舞われ、先行きの見えない不安がつきまとう1年でしたね。
大切なご親族を亡くされた方もたくさんあり、たとえ健康であったとしても職を失い、日々の糧に困窮する方々が急増し、仕事と家庭の両立を巡っていつも以上にストレスを抱える女性が増えたとのことを新聞で読む度に心を痛めておりました。
その一方で、静かにじっと耐える日々は、何でもない日常の尊さに気付かされ、平時ならできなかったことに沢山取り組むこともできました。
今年は果たしてどんな1年になるのでしょうか。
皆様のお心に安寧と喜びがもたらされる年となることを、心よりお祈り申し上げます。